2019/7/5 新潟の旅
事の発端は知人に煽られたことです。かずやさんという、僕のサイクリングに多大な影響を及ぼした自転車屋の店員さんがいます。「新潟まで自転車で行ければ一人前だよ」「新潟まで行くのが伝統だよ」「新潟は楽しいぞ～～～」なんて、めちゃめちゃ煽ってくるんですよ。なぁ～にぃ～やかましいな俺だって行ってやるんだから！！！！
秋田～新潟、片道260km
私が通い詰めるサイクルショップタカハシには、代々新潟に行くという伝統があります。なんと、原初のじーさん達が始めたんだそうです。「300円持って友達とタバコ買いに行ったら、いつの間にか新潟についてた」「新潟入っちゃって、タバコ買うか水買うか悩んだ末にタバコ選んでそのまま帰ってきた」「しかも砂利道の時代に」いやあもう伝説のストーリーです。インターネッツには無い情報ってたくさんありますね。イカれてやがる。
実際のところ代々受け継ぐ皆さんは片道新潟、電車輪行で帰っているようです。夢だな。そんな話を聞かされる我々の前に、なんと四連休が！これを使わない手はない…
もう緊張しちゃって、楽しみで、前日って寝付けないんですね僕。朝二時に出発しました（良く朝ではないと言われます）。ルートは以下のログの通りです。海沿いを往く。メンバーは俺、大地。大地はたくさん出てくるので特集ページを作りましたので読んでみてください。
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寝つけない代わりに、出発前はギリギリまで寝ます。おにぎりを握っておいて、水もボトルに入れておき、空気も前日に入れます。7分前に起床して着替えてGoです。朝ごはんのおにぎりは、車のいない早朝の国道をかっとばしながら食べます。なので、良く落とします。供養。
暗いうちはどこ走ってんのかさっぱり分かりませんけど、明るくなり山形も後半になってきたあたりからはもう、最高でしたね～。
山形～新潟のあたりはド平坦なんですね。勝木～村上間は国道7号よりも国道345号を通るとこのような景色を見ることができる上に、登りを避けつつ、より近い経路を通ることができます。平坦な分、下りは無いのでこぎ続けることになりますが。
あつみ温泉や笹川流れ、それはそれは素晴らしいものでした。景色がずっと開けていて遠くの土地が見えるんですね。秋田の沿岸沿いは結構アップダウンがあって、山形や新潟のような景色は見えません。海がこんなに近くないんですよね。７号線秋田区間は言うまでもなく、男鹿半島なんかはほんとに山です（また別の魅力があります）。山形県遊佐以南は別世界の景色ですね。
ところで我々、胎内では国道113号線を通過しましたが、あの道路は自転車にはおすすめしません。地図で見ると海岸沿いで、真っすぐで、信号も無いのですが如何せん路肩が非常に狭いです。その割に車の交通量が多いです。おそらく車のバイパス道路になってるんですね。一度、中型トラックと接触ギリギリまで近づきました。私はタイヤが38cですから、何の支障もなく路肩の未舗装部分（砂利や芝だったと思います）に逃げ込んで走行し続けました。細いタイヤだったり、走行技術に自信が無いのであれば、通らない方が良いでしょう。
滞りなく目標の新潟駅前に着きました。この日は安倍首相（当時）が演説に来るだとかでにぎやかでした。しかし新潟駅、なにか混沌としているというか写真スポットも見つからなくないですか…？最近はリニューアルしたようですが。秋田みたいなスカスカの田舎から出てきた我々の感覚が違うのかもしれません。秋田駅はスッキリスカスカです。おかげもあってか、外観はきれいだと思います。
今回の宿は、ゲストハウスなる種別の宿です。安く泊まれます。例によって自転車をバラして部屋に入れました。
カズヤさんには、「新潟行ったらラーメン二郎食ってこい」と言われてました。秋田には二郎は無いですし、初めての二郎になります。
ラーメン二郎が何たるかを知らない大地くん、脳死で大盛を注文して秋田新潟間のカロリーを回収しようとしていましたが、無事死亡していました。新潟二郎はあっさりしていると言いますが、仮にも暑い中260km走ってきた身ですのでね…
宿に帰ってくると、向かいの建物でスナック（？）を営んでいるというママから、「これも何かの出会いだから！」とゆでた枝豆を頂きました。あぁ…また人のつながりを感じてしまった。ありがとうございます。
夜なのに明るいんだなぁ
このころは「自転車初心者が体力だけで長距離に出た」そんな走り方をしていました。ダンシングで尻の荷重を抜きながら走るだとか、ハンドルのいろんなところを握って神経痛を抑えるだとか、日焼け対策をするだとか、そんなこと知らないで走っていました。一日座りっぱなしで走ったわけですが、僕はケツが擦り切れたように痛く、手も痺れていました。大地も同じようでしたが、僕よりは手のダメージが大きかったようです。ピュアロードバイクの方が、僕のグラベルロードよりも前傾がキツいので手にかかる荷重が大きかったのかもしれないです。
まあ、明日は行けるところまで行こうという思いでした。こんなに体がボロボロだし、途中輪行だな。
それだけ体がボロボロでも、電車代をケチるために新潟駅から輪行みたいなことは全く考えていませんでした。
Day2：行けるところまで行こう
・既に体は痛い
やってまいりました二日目。ゆっくり寝てから出発です。どうせ電車に乗るので。ペダルを回し始めて数十キロ。やっぱり尻が擦り切れそうです。インナーパンツも持ってきていたので、インナーパンツ×ビブパンツの二重作戦で行きました。大地は手のしびれがエグいので、前日の靴下をグローブ内に入れて走っていました。もう少し走ると、僕も手が痛くて大変になってきました。手の甲をハンドルに置いたり、拳で置いたりしました。下りはとにかく尻を上げて走りました。
大地なんかは、日焼けと摩擦で足が痛々しいことにもなっていました。彼はそのまま走り続けましたが。そのぶっきらぼうさ、良い。
・まあ山形までは景色も良いし
笹川流れとかやべー景色良かったから、あそこは行きたいよなぁ…じゃあ、笹川流れは走ろうか。それに、あつみ温泉ぐらいまでもずっと海岸開けてるし、走りたいよね。そうして、山形県までえっちらおっちらやってきました。入ったコンビニに偶然、体育の先生がいたときはビビりました。そういやここはもう山形だったし、大会もやってたなあ。
僕、お金は無いけど食べなきゃ死ぬので、安物の脂ぎったパンでカロリーを回収する戦法をとっていたのですが、それが消化不良につながるなんていざ知らず、「食い物が入らない…ハンガーノックになって踏めなくなるかも…」なんて思いながら、必死に安パンを食っていました（無限ループ）。
・雲行きが怪しい…秋田まで来てしまった…
もう、秋田県境も越えてしまったな…これ帰れるんじゃないか？真っ暗な中、7号線由利本荘区間を走っていたのを覚えています。もちろん尻が痛烈に痛い記憶と共に。大地はもはや神経痛で手が動かないので変速できなくなっていました。左手で右手の変速を動かす始末です。なんて苛烈な。もはや耐久レースです。ただ無心でペダルを回すだけ。
・帰ってきちゃった
昨日の朝、秋田を出発したのに。昨日の夜には新潟の地に立っていたはずなのに。秋田市に帰ってきてしまいました。７号線から秋田市街地に侵入する、臨海十字路の手前。秋田市の静かな夜景に少し感動しました。Yeah! Im back! Fxck yeah!
ところで、我々汗だくでずっと自転車こいできました。お風呂に入りたかったのです。深夜もやっている、華の湯に行きました。ふ～やっと人権が戻ってくる～。
…痛いのです。忘れていました。我々、酷い日焼けを負っていたこと。痛くて浴槽に入れません。せっかく高い入浴料払ったのに！なんとかして入ってやる！唸りながら湯船に沈みました。ちなみに大地はいたすぎて一切湯船に入らず上がってました。おもろいな～～～。おつかれ。ゆっくり寝よう。
こうして、秋田～新潟間を二日で往復するサイクリングは、総距離533kmをもって幕を閉じたのでした。
後日談
もうブレーキも握れないほどの神経痛だっただいちくん。次の日には寒風山までサイクリングに行っていました。…ばかだなぁ…。
僕はというと、お風呂から上がってバスタオルで体を拭いていると何やらゴミクズみたいなのがタオルに…なんだこれ？なんと尻の皮が剥けていたのです。摩擦でメラニン色素が溜まったからか、黒いゴミクズみたいになっていました。文字通り、ケツが擦り切れたんです。
こんなことが起きて、尻問題、手問題、ライト問題などたくさんの課題が見えてきました。気合い入れて買ったパールイズミの３Dメガパッド入りビブパンツなんですが、それでも尻が擦り切れたんですから衝撃でした。やっぱりサドルなのかぁ…それに、下ハンを握ることを学びました。長距離だからといって上体が起きているのが正義ではないんですね。荷重を手に分散させて尻を守るのも大事だし、ハンドルが高くても肩とか突っ張って痛くなります。まさか僕がかっこつけ自転車乗り（失礼）みたいにハンドルを下げる日が来るだなんてねぇ…または、手のひらを守るためのエアロバーという手もあるか。
