昔話:2020/10/31 紅葉の秋田一周600キロ
ははは。僕はもともと、こういうヤバいサイクリングの記録を残すためにブログを始めたんですよ。いつか、誰かが似たようなことをやる時のためにですね。
ルートログはこちら。どうです、見事な一周ルートでしょ。経過タイム39時間55分でした。
ブルベでSRを取るためには、200km、300km、400km、600kmを制限時間内に走る必要があります。今までに400kmまでは達成してるので、練習で600kmを走りたいなと思っていたところでした。この頃僕はまだ19歳で未成年なので、ブルベの出場資格はありません。ブルベは20歳からです。来年からのための練習ってことですね。
ブルベとは
「ブルベ」とは簡単に言うと200~600kmの決められたルートを既定の制限時間以内に走破し、認定を得るイベントです。ハードな長距離サイクリングイベントとして有名です。サポート無し、自己完結。雨の中も夜間も長距離を走る能力、トラブル対処能力、ペースマネジメント能力などが求められます。1年以内に200,300,400,600kmの四つのブルベを走破するとSR(スーパーランドナー)の認定を得、四年に一度のPBP(パリ・ブレスト・パリ)に出場する権利が与えられます。ま、名誉ですよね。ちなみにPBPは1200kmです。(ブルベについて気になる方は私以外の詳しく書かれてらっしゃる方々の記事をご覧ください)
昔話:2020/6/7 秋田・県北一周サイクリング - TickTackBonkの部屋 より
それに、僕は以前なんちゃって秋田一周を達成しています。
これ、記事を見ていただけると分かるのですが、男鹿半島も回ってないし国道341号線八幡平区間も登ってない、マジで「エセ秋田一周」なんですね。胸を張って「秋田一周しました!」って言えないルートですし、何よりかずやさんにめっちゃ煽られます。「じゃぁ今度は男鹿も八幡平も登ってホントの秋田一周してくればいい」って。やかましいわい、やってやるわ。
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★DAY1
前置きはこんなところで、サイクリングレポートに行きましょう。おおまかなルートは、秋田市を出発して男鹿半島、能代、大館、小坂、玉川温泉、美郷、横手、東成瀬、小安峡、川原毛地獄、由利本荘、秋田の順に回ります。距離が長いから説明も長ぇな。メンバーは大地、おれ。
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このルートを左回りで回ると、約340km地点に横手の快活クラブがあります。一日目340km、二日目260kmで分割して走ることにしました。横手の快活クラブでは、行程の遅れによりますが3~4時間は寝られる見込みです。あと鹿角側から登ったほうが八幡平は感覚的に楽です。
秋田市を朝三時に出発します。もはや朝ではないのは毎度のこと。
朝の男鹿半島は、釣り人の車がたくさん通りますねぇ。ごめんなさいねこんな時間に自転車で走ってて。
僕らも長距離には慣れたもんです。最初の休憩ポイント、道の駅ふたついまでノンストップで行きます。
途中、かずやさんから急にメッセージが来ました。「いちえっていう大判焼屋がおすすめ」だそうです。
ここらは淡々と走るのみです。何度か走った道ですし。
毎度のことですが八幡平を鹿角側から登ると長いだけで全くキツくありません。しかしこの区間いっつも工事してんな。
登りの片側交互通行区間ってめっちゃ焦りますよね。俺らが登ってるうちに反対側の信号が青になったらどうしよう、みたいな。区間を出てから振り返ってみると、たまに青になってます。しかも、八幡平とか栗駒山とか結構あるんですよねこれ。
341号線のピークに先に達したのは僕でした。ピークで立ち止まって大地を待っていると、車の方が「大丈夫ですか!?」なんて声をかけてくださいました。大丈夫、問題無いですよ!優しいですねえ。確かに日没はもう過ぎていますし、電波の来ない山奥に自転車に乗った人が立ち止まっているのはおかしいかもしれませんが、何も問題ありません。調子は良好。
今回は、前々日に急遽作った自作シューズカバーで寒い下りの足元対策をしました。
ワークマンに売ってるネオプレンソックスを切り開き、百円ショップで売ってる手芸用ファスナーを縫い付け、ビンディングシューズに対応させます。これ、あると無いとでは全然違います。そもそもビンディングシューズって通気性抜群の夏仕様みたいなもんですし。
パールイズミで冬用シューズカバーを買うと7000~8000円しますが、大体600円くらいで済みました(もちろんクオリティは既製品に比べてダメダメです)。そんな高いモン買ってらんねぇ!無ければ作るんだ!
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これだけ着こんでも、八幡平の下りはマジで寒かったです。震えながら下りました。景色がいいはずの玉川ダムは真っ暗で何も見えません。さみしいので対向車みんなに手を振りながら下りました。車なんてほとんどいませんが。
それから角館、美郷を経由して横手の快活クラブに入りました。結構疲れた。4時間の余裕がありましたが、いろいろやって3時間だけ仮眠しました。大地の分の洗濯も自転車のロックも任されてあんま寝られんかった。このやろう。
★DAY2!!!
コンビニで適当に朝飯を食べて出発します。
途中、大地に先頭を引いてもらいました。そしたら曲がるはずの交差点を曲がらない。なぜ? 聞いてみたらルートなんて覚えてきてないそうです。は????????こんな大事なアタックを前にしてルート覚えてきてない?????覚えてこいって言うたろ!!!!!!!なんで自信満々で前引いてんだよ!!!!!!!!!!そんなばかなことあるかよ!!!!!!!!!!
しかも防寒具も全然足りてないので、僕が貸してやる始末。おかげで僕はブルブルガクガクです。こんなに瀕死になったことは無いです。このやろう。
横手の山奥から県道40号線という謎道路に入りました。黒沢からジュネス栗駒スキー場に出る道です。初めて通ります。
疲れているのか、低血糖なのか、死ぬほど眠くて全然踏めませんでした。僕の記憶では、サイコンには15%だとか18%だとかの値が写っていて死ぬ思いで登りました。後から、国土地理院の高度に基づいて斜度を調べたところ14%だとか15%だとか並んでいます。それだってキツいのに。
屈辱ですが、俺史上初の押し歩きをしました。死ぬ。まじで登れん。日が出ないから気温は下がる一方、出ても放射冷却でクッソ寒い。防寒着は大地の野郎に貸してる。無きゃアイツも死ぬ。携帯の電波は来ねえ。車なんて一台も通らん。意味わからんぐらい眠い。その割に道路と紅葉はめっちゃキレイ。なんやねん。
もう、湯沢に下りたら輪行で撤退しようか…
ほんとはこのまま、栗駒山を登る予定でしたが、湯沢市街に向かって輪行エスケープすることにしました。(後に栗駒山に登りましたが、この調子では栗駒山はガチで登れなかったと思います。多分あそこ、秋田で一番キツい)
と思って下界に下り、湯沢市街に向かっていたら日も昇り、山から離れたことで気温も上がったからか調子が上がってきました。眠気も無くなってました。あ、じゃあ今から小安峡と川原毛地獄行こうぜ。
それで、ルートログがちょっといびつな形です。寒いと人間ダメになるんですね。
はい、小安峡に着きました。
ほどほどにして(マジでかすっただけ)、川原毛地獄に向かいます。
小安峡・泥湯温泉・川原毛地獄のエリアは秋田県随一の観光地だと思いますが、アクセスが最悪です。もっと大々的に広めると良いと思うのですが、秋田市からも遠いですし、大変なんでしょうね。
泥湯から川原毛地獄は、すぐ近くです。
川原毛地獄は日本三大霊地の一つです。火山ガスの影響で山一帯が漂白されていて、白い山になっています。植物も枯れます。空気感がやばいです。日本三大霊地にあと2つは富山の立山、青森の恐山です。そんな素晴らしい場所が秋田にあるんですがねぇ…秋田県民でも知らない人多いと思います。秘境。
恐山も自転車で行ったので、あとは立山のみ!
川原毛地獄って案外広くて、ここと反対のところには川原毛大湯滝があります。車で行くと大分遠回りになります。ここを歩いて抜けていくのもちょっと気合いが要ります。川原毛大湯滝は、滝がまるまる一つ温泉というバカげた野湯です。
簡易的な更衣室があって、水着を着て入ります。冬は道路が閉鎖されるので行けません。この滝から川を下っていったら、水着も着ないで全裸で湯に浸かるツワモノに出会ったことがあります。
さて、あとは秋田市に向かいます。
17:30ごろ、秋田市に入りました。ですが600kmまで10kmほど足りていません。秋田市のあたりをぐるぐる回って600kmに合わせました。タイム、39時間55分!目標の40時間まであと5分のところでした。しかも雨が降り出すギリギリ。うわ~~~~やった!間に合った!!!おつかれ!!!!!
すき屋で牛丼食って、良く眠りました。雨は降らなかった上に概ねコースタイム通りなので、距離はあれど案外キツくは感じませんでした。三時間とはいえ、寝たと寝ないとでは大違いです。キツさで言ったらこの前の十和田湖の方がエグいですね。達成できてよかった。