2020/9/15 雨の十和田湖オーバーナイト 315km
いつの間にかブログを開設して一か月経っていました。まあどうでもいいんですが。そしてグーグルアドセンスの審査が通りましたが使い方を全然調べてません。まあ別にいいんですが。
今回は、今まで走ってきた中で過酷さ三本指に入るような、それはもう大変なサイクリングのお話です。簡単に言うと「無計画で山岳地帯を徹夜でほとんど雨の中走る長距離サイクリング」です。ちょっと長い記事です。
ルートログはこちら。
ルートはシンプルです。秋田市を出発し、国道285号線で北上、そのまま大館・比内へ。その後鹿角・大湯から十和田湖にアプローチします。十和田湖を左回りで外周したら来た道をそのまま帰ります。
ルートはシンプルですが、めっちゃ登ります。十和田湖、すげー山岳地帯でした。グーグルマップには「十和田八幡平国立公園」ってデカデカと書いてますもんね。
事の始まりはかずやさんからのメッセージです。前日に、「明日天気良かったら自転車乗りにいこうぜ!」と誘われました。僕は、行く気満々で15日朝、AM5:00ごろに起きました。でもお外は生憎の雨です。かずやさんとも連絡して、今日はお休みということになりました。僕は二度寝しました。
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そして、日もだいぶ上がりAM8:30ごろ気持ちよく起床しました。メッセージを見てみるとかずやさんから不在着信が。何かと思って見てみると「晴れたから先に出発してるね!」だそうです。なぁぁぁにぃぃ~~~~~?????ずるい!!!!俺も自転車乗る!!!!!!!
はい、じゃあ出発です。なんとなく行きたかった北へ。
サイトウインポートのジャージは、格安系サイクルジャージの中でも評判が良いです。なんでも、長期間構造を変えずシンプルにすることで縫製工場の人を熟練させ、安くてしっかりしたものを作れる工夫をしているんだとか。すぐ売り切れます。結果的に、僕はこれで300kmを走り切ったわけです(Brooksのサドルの力も大きいですが)。
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このとき、うっすらと「十和田湖行ったことないから行けると良いな~~」とは思っていました。こうやって飛び出して遊ぶ時のために、そういうルートは大体頭の中に入っていますし、準備にも不足はありません。とりあえず国道285号線で北上します。雨降ってきたら、二ツ井を回って秋田市に帰ってこようと思っていました。まあ輪行でもいいし。
相変わらず秋田峠は下界よりも天気が悪いです。でも下ったら晴れてきちゃって、う~んまだ行けるなぁ!なんて。ダラダラと、能代方面と大館方面の分岐に来ましたが、いよいよ十和田湖方面にハンドルを切ってしまいました。
大館は梨が名産なんですね?国道103号線沿いに梨の直売所がたくさん開いていました。もしかして、このタイミングで梨食べちゃったら超うまくないか?とある直売所に寄って、「今食べたいんですが冷たいのありますか?」って聞いてみたらなんと穫れたての冷たい梨を一つ売ってくださいました!うまい!!!うまい!!!!
サイクリング途中に果物の直売所とかふらっと寄っちゃうの、アリだな~と思いました。どこかの道沿いで見かけたら積極的に入っていきたい。
少々の寄り道と休憩を経て、さらに十和田湖方面へ。
このあたりからは雨雲レーダーとにらめっこしながら、そして後ろに見える、いかにも激しい雨の領域から逃げるライドになります(すぐに捕まります)。
道の駅おおゆに入って80mm/hを超える激しい雨雲をやり過ごそうとしましたが、道の駅おおゆをロストしてしまい通り過ぎました。慌てて引き返したころには、もうズブ濡れでした。あ~あ。道の駅おおゆは国道からその姿が見えません。その方向に目を向けると「ホ テ ル 鹿 角(バーーン)」と目に入ったので「あ、ここじゃないのか」って通り過ぎてしまいました。すみません、僕が道の駅おおゆの青看板を見逃していただけです。
道の駅おおゆは絶対に寄りましょう。ここは大湯温泉郷に作られた道の駅で、めっちゃ綺麗で新しくて、そしてタダで入れる足湯があります。特に、雨の中はるばる自転車で来たサイクリストには、冷えた体を温めるのに最高です(なかなかいない)。
こんなあったかくて快適ではいつまでも入り続けてしまいます。鋼の精神力で足湯から上がり、十和田湖を目指します。ぐちょぐちょになったビンディングシューズを履き直して。
ところで大湯からは十和田湖までずっと登りです。十和田湖の入り口、発荷峠がピークです。湖の入り口なのに峠だとぉ?
そうなんですよ。十和田湖の入り口、発荷峠ってのは"峠"なんです。その発荷峠を下った先が十和田湖になります。つまり、大湯から散々登らされて十和田湖が見えたのに、十和田湖畔に辿り着くにはせっかく登ったのに下る覚悟が必要になります。だから、発荷峠即ち十和田湖の入り口っていうのはサイクリストの諦め引き返しポイントになります。景色も良いし、諦めを付けやすいですよね。ちなみに大館樹海ラインから発荷峠にアプローチすると発荷峠より高いとこまで登らされます。大湯側から行った方が楽です。
↑この高度グラフを参考にしてください。一番デカいのが御鼻部山、その次が発荷峠です。
既に携帯の電波なんて届きません。ここから先は試される地です。助けは呼べない、トラブルは全て自分でリカバリーしなくてはならない。それなのに只今発荷峠、16時22分、これから夜になるってのに十和田湖にダイブしようとしているヤツがいます。大分狂ってる?
ま、調子悪くないですし、十和田湖はいつか一周したかったんですよ。それに一度、徹夜でサイクリングとかしてみたかったし、そのまま徹夜になっちゃっても良い。行こ行こ。
なんか十和田湖畔には「休平(やすみたい)」っていう地名がありました。そんなおもろい地名ある?????そんな俺の今の気持ちを代弁してくれる地名ある?????
こっから先は限界ライドです。雨、ガッタガタのアスファルト、わけのわからんキッツい斜度の登り、霧、夜です。車なんて通りません。熊出てこなくてマジで良かった。写真なんか撮っても何も映らないです。
夜なんで、十和田湖の素晴らしい景色なんて見えません。なんで僕、十和田湖の景色ってあんまり知りません。わざわざ自転車で走ってるのに。
ここが今回一番標高が高いところで、霧(雲?)がかかっていました。なので、ライトが全然役に立たないんですよね。まあ登りなので速度も遅いですし、足元がちょっと見えてれば良いんですが。
今回この御鼻部山の登りでは、僕は一つの間違いを犯しました。雨の中、レインウェアの前を開けたまま走り続けたんです。だって登りなので、暑いんですもん。そしたらレインウェアの中もジャージも雨でビチョビチョです。まあ登りはあっつくなるんで良いんですが、この先ピークを過ぎると標高1011mから、標高差約600mの猛烈な下りです。ここで、酷い汗冷えを起こします。レインウェアの前を閉めて下りましたが、急激に体温が奪われていきます。ここは秋の夜、東北の山奥。ただでさえ寒いのに、まずい。
下りきった頃には、低体温で動けなくなりました。漕げない。自販機が目に入りましたが、全部冷たいジュースです。とりあえずリアルゴールドを飲んだのを覚えています。カフェインで、ぜんぶごまかせねえかな。ガックガクで震えながらレインウェアを脱ぎ、中に付いた水滴を半分濡れたポケットティッシュでふき取りました。靴も脱ぎ、裸足になって少しでも蒸発しないか試みます。その間、自分は輪行袋にくるまって作業をしました。意外とあったかいんですねアレ。体育座りが一番あったかいんでしばらく自販機の前でそのままでした。意外と、尻にはパッドが入っているからか冷たくなかったです。
ちょっと楽になってきました。ここにいつまで居てもダメなので、帰るしかありません。車一台通らないし、鉄道なんてもちろんない。鹿角まで行っても終電過ぎてるし、自走で秋田市まで帰るのが決まりました。お、これで初の徹夜サイクリング達成できそうだな。
十和田湖を離れるために、再度発荷峠を登ります。発荷峠前の、誰も通らない信号が煌々と輝いています。文明に戻ってきた感じがちょっとします。あばよ信号。俺は帰るからな。
路面ガッタガタの103号線を一気に下り、大湯に戻ってきました。コンビニがあって電波も通っています。人権!!!!!人権!!!!!
コンビニで声をかけてくださった方がいらっしゃいました。その人は片側通行で旗を振っていた人で、僕が道の駅おおゆをロストしてどしゃぶりに降られていたところを見ていたそうです。僕がどっから来て何しているのかを話しましたが、びっくりしてました(まあするよなぁ)。2020年のうちにロードバイクで十和田湖一周するのが目標だ!っておっしゃっていました。あの人、十和田湖一周を達成できたんでしょうか。かなり過酷な目標ではあるんですが、頑張ってほしいです。この記事見てくださらないかしら。頑張ってください!って言われちゃったし、うわ~応援されちゃったら秋田市まで自走で帰るしかないやん????
しっかし24時間開き続けるコンビニっていう聖域、何なんでしょうね?何度救われたことか。日本国、あまりにも快適すぎです。
誰もいない国道285号線を登り、最後のピークに到達しました。もう登ることはありません。トンネル、明るいなぁ。
秋田市に入った頃には、もう空が明るくなってきました。ははは、オーバーナイトになってしまったか。やったぜ。
帰ってきたご褒美に、すき屋で朝食を取ります。まともな飯だ。タンパク質よ、俺の体を回復させてくれ。ほんとにもう、24時間開いてるすき屋、コンビニ、山岡家は神です。ほんとにありがとう。
そんなわけで今回のライドは終了です。無事に(?)帰ってきました。
後日談
こんなひどい扱いをいっつも自転車にしている僕ですが、とうとうやばいのが来ました。
ホイールのリムに、金属疲労でクラックが入っていました。ホイールというのは構造上スポークで内側にリムを引っ張って均整を保っていますが、そこにキてしまったみたいです。スポークホールから、いくつかのクラックが。当然、ホイールには振れが出ていました。
で、そのクラックから入った水がタイヤの中に溜まっていました。
信じられます?ホイールって、消耗品なんですよ。は?ホイールからクラック入ってぶっこわれるって誰が予想しました?衝撃なのは僕ですよ。この自転車買ったら、こいつでずっと走るんだと思ってたのにホイール交換の危機です。こうなったら、ホイールがぶっ壊れるのは時間の問題です。えぇ~~~。ホイールって、待ってても交換せざるを得ないモノなんですね~。ツイッターで良く見るカーボンホイールとか、買わないで純正で俺は長距離走ってやるって思ってたのにぃ~~~~。しゃーなし。
ま、これは新兵器を導入する好機かもしれません。それに、ホイールが疲労でぶっ壊れるまで乗りつぶしてやったって、なんか良くないすか。そんなやつなかなか聞かないですし?